夫とともにカフェ経営。愛する家族で過ごす時間を愉しむ
Profile
コーヒーの奥深さに触れ、カフェをオープン
鉾田市にあるカフェ「CUP OF JOE」。“一杯のコーヒー”という意味のカフェは、今年でオープンから四年目を迎えます。豊富な種類のコーヒー、手作りのパンやスイーツなどが人気。経営するのはマリニオえりかさんご夫妻です。
長くアメリカで暮らし、帰国後にブラジルご出身の旦那さんと出会って結婚したえりかさん。故郷の鉾田市にUターンする前は、県内の別の地域で生活していましたが、ご夫婦で鉾田に移住してきた理由は何でしょう?
「夫が働いていた職場は、残業が多い肉体労働だったのが一番大きな理由です。ブラジル人は家族と過ごす時間をとても大切にする習慣があるので、このまま定年まで働くというイメージができませんでした。もっと家族で過ごす時間を持てる生活がしたいと考え、私の実家がある鉾田に戻って夫婦でビジネスを始めるのがいいのではないかと思ったのです。」
最初はブラジル風ピザなどを出すファストフード店を想定していました。そして店にはコーヒーも必要だということで、つくば市にある「コーヒーファクトリー」さんでエスプレッソマシンの講習を受けたところ、コーヒーの奥深さにどハマり。ファストフード店ではなくカフェをオープンするに至りました。
夫婦二人三脚で役割分担する
「コーヒーファクトリーさんから仕入れた豆でオリジナルブレンドを作っているのですが、メインはやはりブラジルの豆にこだわっています。夫が調理を担当し、私が接客や会計を担当しています。夫は独学でブラジルのパン作りを勉強したり、私はアメリカで食べた美味しいチーズケーキのレシピを自分なりに改良して試行錯誤したり。また、外国人の夫の名義ではローンが組めないので、県の女性創業支援融資を活用して、資金繰りをしました。」
夫婦でともに開店時の苦労を乗り越え、コロナ禍の中でも徐々に売り上げを伸ばしているそうです。
「広告も出していませんし、InstagramなどSNSで告知するぐらい。だから最初はお店の周知が大変でした。そのうち口コミであったり、新聞で取り上げていただいたりしたおかげで、お客様が増えていったのがありがたいですね。」
現在では2人の子宝にも恵まれ、市外からのお客様や、同じ保育園のお母さんやお父さん方、常連さん方など、カフェを通しての交流も楽しいといいます。
「ご年配の方など、それまで交わることがなかった方とも話すことが面白いです。会社員時代には、体験できなかったことですから!」とえりかさんは微笑みます。
お金よりももっと大切なものを与えてくれる自然と人の優しさ
気候が温暖で災害が少ない鉾田の大自然がもたらすリラックス効果は、なにものにも代え難いようです。えりかさん一家のお気に入りは鹿島灘海浜公園。海が見渡せる広大な敷地内には、ボードウォークや子供たちが遊べる遊具もあり、広大な芝生で旦那さんとお子さん達はサッカーをして過ごすことも。公園の写真をInstagramにアップすると、国外の人から「ここはどこ?」と聞かれるぐらい素敵な場所です。さらには北浦や霞ケ浦といった湖に行って、夫が好きな橋を見るなど、時間があれば自然を堪能しています。
「私の住んでいる地域は、徒歩圏内にスーパーや病院があり便利。また、ご近所から新鮮な野菜や果物などをたくさん頂けたり、物価の安さが経済面でも子育てを楽にしています。何より仕事のストレスが減り精神面で以前より健康的になりました。緩やかな時間の流れの中で、この先も暮らしていければいいなと思っています。」と鉾田の生活にとても満足している様子。
夫いわく「鉾田の人は、最初はとっつきにくいけれど、慣れてくるととてもフレンドリーで優しい」のだとか。本格的な移住はハードルが高いけれど、まずはしばらく過ごしてみる“プチ移住”で、鉾田の自然や人々の温かさに触れてみるのはいかがでしょうか?